食堂 五本松で触れたおふくろの味
今日は千葉のアミューズメントパーク大慶園の近くまで来たのでそこから少し離れた
鎌ケ谷市は五本松という店に立ち寄りました。
この界隈は梨園が多い様で、◯◯園という看板をたくさん見かけます。
僕も実はあまりこの辺りは馴染みがないのですが、大慶園と市川動物園が近くにあり、また意外と町中華が潜んでいる町でもあるのを僕は見逃しておりませんでした。
その中でも最も気になっていたのがこの店、五本松でした。
この日は悪天候と言う事もあり12時半頃なのにまだ客はいませんでした。
入店時、カウンター席ではお母さんが「のど自慢」を見ていました。
ご年配の夫婦でした。
背骨の曲がったお母さんが重い腰を上げながら、湯飲みを出してくれる。
何も聞かずに厨房へ戻る。
すると僕の直ぐ後に他の客が入って来ました。その客は常連らしく
お店のお母さんはいつものやつね的に「生姜焼きね。」とつぶやく。
客はそれに返すかの様に「瓶ビールもね」と言うと、おもむろにタバコに火をつけた。
恐らくにこのおっさんにとって、この店は休日の日課なのだろう。
僕の注文はすっ飛ばされましたが、まだ注文が決まっていない様子を察してくれてのことか、じっと厨房で声がかかるのを待っていた。
いろいろ考えた結果、結局チャーハンと、それにどのサイドメニューを注文すべきか?決めあぐねていた。
餃子にすべきか?野菜炒めにすべきか?はたまたナポリタンも気になっていた。
が、一番気になっていたのがカツ煮だった。
周りを見渡し、結局カツ煮とチャーハンを頼むことにしました。
一緒に同席した相方は豚生姜焼きを注文していました。
チャーハンをつくる音は、よくある町中華の雰囲気とは違い一般家庭にありそうなものを使っている様に感じた。
かなり年配の方なので少し不安だったが、配膳されたソレは全くご年配であることを感じさせないほど、丁寧な仕事っぷりでした。
うっとりするビジュアル。計算して作られているのか?はたまた何かを見よう見まねで作ったものか?美しい二品を目の前に、鼻息荒くソレにむさぼりつくのでありました。
カツ煮単品にチャーハンと組み合わせたのが大正解。アッサリの濡れチャーハンに玉子とじカツで合わせる。こりゃ堪りません。
あれよあれよと言う間に完食。
新しいカツ丼を食べてる感じで良かったぁ。
相方の豚生姜焼き定食も最高でした。
柔らかな豚肉がご飯とメチャあう。それと、備え付けのナポリタン。
これ、マジやばいです!!!
昭和の味、昭和のテイストですが好きな人はマジで涙もんです。
これは次回、ナポリタンとカツ煮でも絶対いいじゃないって思いました。
配膳することが困難な年配の方をよく見ますが
ここの店も同様、おばあちゃんが無理して重たいお膳を持ってテーブルまで運んでくれる。
そんな時こそ、思わず手を差し伸べてしまう。
身体に無理をしてまでここの店を頑張り続ける理由があるのか?余計なお世話かもしれないがそんなの事ばかりを気にしてしまう。
飲食店の成れの果て、現代の飲食自営業の行く末はこうなると思うと、それも辛い気持ちになってしまうのだが、だからこそ応援したいと感じる。
多少の味のブレはご愛嬌。混んでる店よりもゆっくりと時間の流れを楽しむ、昭和ならではの佇まい、時代を感じながら過ごす事が、現代人には欠けているのかもしれない。